感動しちゃったので転記しちゃいます(;ω;)
羽生結弦 常に全力、源は震災 「ソチは過去、平昌向け成長したい」
昨年2月のソチ冬季五輪フィギュアスケートで、日本男子初の金メダルを獲得した羽生結弦(20)=ANA=が、第29回中日体育賞に選ばれた。東日本大震災で被災し、練習もままならない苦難を乗り越えての栄冠は、国民に大きな感動を呼んだ。五輪のフィギュア男子ではアジア勢としても初めての金メダリストとなり、続く3月の世界選手権(埼玉・さいたまスーパーアリーナ)でも初優勝。男子フィギュアの第一人者としての地位を確立した。2018年平昌(ピョンチャン)五輪でも活躍が期待される若き五輪王者が、受賞の喜びやフィギュアへの思いなどをコメントで寄せた。
-受賞の感想は。
このような素晴らしい賞を頂きまして本当にありがとうございます。これまで受賞された方々は、日本のトップそして世界で活躍なさっていらっしゃる方々であり、大変誇りに思っております。
-特に目を引く受賞者はいますか。
皆さん素晴らしい方々ですが、やはりフィギュアスケートの先輩方と、そして、山田満知子先生です。(フィギュアスケートでの受賞者は)常に目標としてきた先輩方です。そして、さすが名古屋(愛知県)はスケートが盛んであるということを確認いたしました。
-五輪王者、世界王者となったことでの変化は。
五輪金メダリストとしての自覚と、言動の責任を持つことです。また、今までと変わらず、周囲の皆さまのご声援には心から感謝しております。
-昨年11月の中国杯でほかの選手と衝突してけがを負い、考えや内面に変化は。
自分がスケートをできているのは多くの方々に支えていただいているから、と再確認しました。
-多くのトップ選手がリンクを離れた現状をどう感じますか。
-カナダのトロントを拠点として3季目。外から見た日本をどのように感じていますか。
トロントの練習環境はとても素晴らしいです。しかし、日本の四季、人柄、食事、安全面など、どれをとっても自分にとって最高だと思います。日本人であることを誇りに思っています。
-連覇のかかる3年後の平昌冬季五輪への思いは。
五輪があった昨季も、王者として迎える今季も、羽生は同じ思いで試合に臨んでいる。「一つ一つの試合が大切。目の前の試合に『勝ちたい』と思うし、目の前の練習にもものすごく集中してやっている」。負けず嫌いな性格に加えて、故郷の仙台で被災した東日本大震災が、いつでも全力を尽くすスタイルの源になっている。
2011年3月11日、練習中に大きな揺れに襲われた。スケート靴のまま外に逃げ、家族で避難所に身を寄せた。練習拠点を失い、全国各地で60回ほども出演したアイスショーが練習代わりとなった。
子どものころにも経営難によるリンクの閉鎖を経験している。「2回リンクがなくなっている。滑れない痛みが分かるからこそ、練習をする楽しさが分かる。好きなことを一生懸命できる幸せをかみしめながら、一日一日を過ごさないといけない」。だから練習にも、試合にも、常に全力で向かい合う。
ソチ五輪という最大の目標があった昨季も、ほかの試合を調整と捉えず、勝利を目指して滑り続けた。「どんな試合でも課題を見つけて、次に克服できるようにと思っている」
痛みを訴えていた腹部の手術を昨年末に受け、3月の世界選手権(中国・上海)への影響も心配されるが「つらい経験をするほど、はい上がる力が出ると思う」と話したこともある。手術を乗り越えようとする思いもまた、20歳の五輪王者を成長させる糧となるに違いない。 (海老名徳馬